【2025年版】CrowdStrike Falcon完全価格ガイド | エンドポイントセキュリティ導入の費用対効果を徹底比較

目次

はじめに

記事をご覧いただき、ありがとうございます。
AIセキュリティ合同会社の越川と申します。

私は10年以上にわたり、ウェブアプリケーション開発からサーバー構築まで幅広く経験し、現在はシステムの安定稼働、データ保護、サイバー脅威対策といった分野に注力しています。そのような経験から、現代のビジネス環境におけるデータの重要性と、それを保護する必要性を日々痛感しております。

そして、このデータ保護と脅威対策を統合的に実現する上で、今や欠かせない存在となっているのが、本稿のテーマである「CrowdStrike Falcon」です。

近年のサイバー攻撃の高度化・巧妙化に伴い、従来のアンチウイルスソフトでは対応しきれない脅威が急増しています。私自身もシステム運用の現場で、従来型のセキュリティ製品では検知できない攻撃手法に直面する機会が増え、その限界を肌で感じています。

特に2024年以降、ランサムウェア攻撃や標的型攻撃の被害が深刻化し、エンドポイントセキュリティの重要性が一層高まっています。

そのような状況において、次世代エンドポイントセキュリティ(EDR:Endpoint Detection and Response)の導入が企業の喫緊の課題となっています。

しかし、多くのEDRソリューションは、導入初期費用を導入支援ベンダーに支払わなければならず、それが数十万から数百万の見積であったという現実があり、セキュリティ強化とコストバランスの両立が重要な検討要素となっています。

本記事では、エンドポイントセキュリティ市場で注目を集めるCrowdStrike Falconの価格体系について、実際の運用経験を踏まえたITセキュリティエンジニアの視点から詳しく解説します。

CrowdStrike Falconとは何か

CrowdStrike Falconは、米国CrowdStrike社が提供するクラウドネイティブなエンドポイントセキュリティプラットフォームです。

クラウドに収集された全世界の端末の振る舞いログを監視し、標的型攻撃をリアルタイムに判断・検知するエンドポイント保護ソリューションとして設計されています。

主な特徴

軽量エージェント設計
軽量なエージェントであらゆる環境を保護するプラットフォームとして、システムパフォーマンスに与える影響を最小限に抑えています。

クラウドベースの脅威検知
従来のシグネチャベースの検知に加え、機械学習と人工知能を活用した振る舞い分析により、ファイルレス攻撃などの高度な脅威を検知/抑止します。

統合プラットフォーム
1つのエージェントで完全に保護を実現し、次世代アンチウイルス、EDR、脅威ハンティングに加え資産管理、脆弱性管理などエンドポイントに関する各種セキュリティ機能を単一のエージェントで提供します。

技術的アーキテクチャ

【イメージ図】

CrowdStrike Falconの価格について

CrowdStrike Falconの価格体系は、機能レベルと提供形態により複数のプランが設定されています。

参考文献:CrowdStrike公式サイト – バンドル一覧

基本プラン価格

1.Falcon Go

  • $59.99/デバイス(年間契約)
  • 基本的な次世代アンチウイルス機能
  • 最大100デバイスまで

 
2.Falcon Pro

  • 年間価格:$99.99/デバイス
  • ファイアウォール管理とデバイス制御機能
  • 統合管理コンソール

Enterprise レベル

Falcon Complete

CrowdStrike Falcon Complete + DeviceControlは、NGAV+EDR+SOCがセットになっており、管理者側はほぼすることがない完全管理型サービスです。

価格的メリット

  • 導入初期費用が0円
  • ランニングコストも比較的安い
  • コストパフォーマンスが極めて良い

価格決定要因

  1. デバイス数:管理対象となるエンドポイント数
  2. 機能レベル:必要なセキュリティ機能の範囲
  3. サービスレベル:SOC(Security Operations Center)サービスの有無
  4. 契約期間:年間契約による割引適用

なぜCrowdStrike Falconが活用されるのか

運用負荷の軽減

Falcon Completeは、NGAV+EDR+SOCがセットになっており、管理者側はほぼすることがないです。
完全お任せで済むので、EDRの多大な運用コストとは無縁という点が大きな魅力です。

検知精度の向上

従来型のアンチウイルス製品では侵入経路が分からず対策が立てられないことが課題として挙げられますが、CrowdStrikeでは攻撃を検知、ブロックするだけでなく詳細調査が可能です。

可視化の実現

検出した攻撃の前後プロセスを時系列順にわかりやすく可視化できる為、侵入経路を容易に把握し、対処に移ることができます。

リアルタイム対応

SOCは、24/365の人間による監視でアメリカからの監視ですが、日本語対応、日本語での緊急電話に対応しています。

CrowdStrike Falconの具体的な導入ステップ

1. 評価・トライアル段階

無料トライアル

FALCON PREVENT 15 DAYS FREE TRIALを活用して、実際の環境での性能を確認できます。

評価プロセス

  1. 現在のセキュリティ状況の棚卸し
  2. 要件定義(保護対象、必要機能の明確化)
  3. トライアル環境での検証
  4. パフォーマンス・検知精度の評価

2. 導入準備

前提条件の確認

  • ネットワーク環境(クラウドへの接続要件)
  • 対象OS・バージョンの確認
  • 既存セキュリティ製品との競合回避

導入計画の策定

  • 段階的展開計画
  • 運用体制の構築
  • 既存製品からの移行計画

3. 実装フェーズ

エージェント展開

1つのエージェントで完全に保護を実現するため、統一されたエージェントを各エンドポイントに配布します。

設定・調整

  1. ポリシー設定
  2. 検知ルールの調整
  3. 通知・レポート設定

4. 運用開始

監視体制の確立

24/365の人間による監視で、アメリカからの監視だが、日本語対応、日本語での緊急電話に対応するSOCサービスを活用。

継続的改善

  • 検知精度の調整
  • 運用プロセスの最適化
  • 定期的な効果測定
24/365 とは?

24時間365日、つまり年中無休でシステムやサービスを提供することを指します。
この言葉は、特にIT業界やECサイトなど、常にシステムを稼働させておく必要がある分野でよく使われます。

CrowdStrike Falconのメリット

技術的メリット

統合管理の実現

複数のGUIを行き来する必要もなく、単一のGUIから操作可能で、管理効率が大幅に向上します。

軽量設計

端末側にも同様の機能を持ち、オフライン時も問題なく検知し、テレメトリデータはネットワーク接続時にクラウドへ送信されます。

高精度検知

AI/ML技術を活用した振る舞い分析により、未知の脅威も効果的に検知します。

運用面でのメリット

運用負荷の軽減

ひとつのエージェントで複数のセキュリティ機能を提供するため、運用コストを大幅に削減できます。

24/7 監視サービス

専門のSOCチームによる継続的な監視により、セキュリティ専門知識が不足する組織でも高度なセキュリティを実現できます。

24/7 とは?

「24時間365日」や「年中無休」という意味で、常に、いつでも、というニュアンスで使われます。具体的には、24時間営業や、常に何かをしている状態を表す時に使われます。

「24/7」は、24 hours a day, 7 days a week の略で、直訳すると「1日24時間、週7日間」となります。このことから、常に活動している状態や、年中無休で営業している状態を表す際に使われます。

競合製品との比較

製品名 初期費用 年間費用/デバイス SOC監視 運用負荷 検知精度
CrowdStrike Falcon 0円 $59.99〜 24/7対応
SentinelOne 数十万〜 $70〜 オプション
VMware Carbon Black 数十万〜 $80〜 オプション
Palo Alto Cortex XDR 数百万〜 $100〜 別途契約

コスト面での優位性

CrowdStrikeのみが、初期費用0円という特徴があり、導入時の財務負担を大幅に軽減できます。

運用効率の向上

他社製品と比較して、完全お任せですむので、EDRの多大な運用コストとは無縁という点が大きな差別化要因となっています。

活用事例

それでは、実際の活用事例を紹介いたします。

事例1:株式会社バンダイナムコホールディングス様

導入前の課題

玩具やゲームなどの多彩なエンターテイメント分野でグローバルにビジネスを展開するバンダイナムコグループは、以前よりエンドポイントのセキュリティ対策として、シグネチャ型アンチウイルス(AV)製品を利用していました。

しかし、2014年ごろからその機能に限界を感じるようになっていました。

具体的な課題として、サイバー攻撃は検知できても、どこから攻撃を受けたのかわからず、それだけ対応も遅れていました。また、アラートが月に数百件も上がるため、どのアラートから対応すべきなのかがわかりにくかったという状況でした。

導入内容

2018年6月にFalcon Preventの採用を決めた。バンダイナムコビジネスアークでは、2018年7月より事業ユニット単位でFalcon Preventの導入を開始しました。

まずは同社を含む関連企業からテストを兼ねて導入をスタートし、アミューズメント施設系、トイ・ホビー関連企業へと段階的に展開しました。

導入後の効果

Falcon PreventはCritical、High、 Mediumなど5段階にレベル分けしてアラートを上げてくれるので、優先して対応すべきアラートが明確化されるのがありがたいですねと評価されており、アラート管理の効率化と対応の迅速化が実現されました。

参考記事

事例2:マクセル株式会社様

導入前の課題

マクセル株式会社様及びマクセルグループは4,400台のエンドポイントを保護する必要があり、大規模なエンドポイント管理における統一的なセキュリティ対策が課題でした。

導入内容

自社を主軸とした運用体制で、マクセル株式会社様及びマクセルグループは4,400台のエンドポイントを保護すべく、CrowdStrike Falcon / アラート解析サービスを導入されました。

導入後の効果

大規模なエンドポイント環境において、統一的なセキュリティ管理と効率的な運用体制を構築することができました。

参考記事

想定される活用シナリオ

実例以外でも、実際に想定し得る活用方法を以下で紹介いたします。

シナリオ1:製造業での統合セキュリティ強化

課題設定

  • 工場内のIoT機器とオフィスPCの統合管理が困難
  • 従来型アンチウイルスでは産業制御システムへの攻撃を検知できない
  • セキュリティ専門人材の不足により24時間監視が困難

導入内容

  • Falcon Completeによる完全管理型サービスの導入
  • 工場とオフィス双方のエンドポイントに軽量エージェントを配置
  • 24/7 SOCサービスによる継続的監視体制の構築

期待される効果

  • 産業制御システムへの攻撃を含む高度な脅威の検知・対応
  • 運用負荷の大幅軽減(管理者側はほぼすることがない状態)
  • 統一コンソールによる全社的な可視化の実現

シナリオ2:中小企業でのコスト効率重視の導入

課題設定

  • 限られたIT予算での効果的なセキュリティ対策が必要
  • 複数のセキュリティ製品管理による運用コストの増大
  • 専門知識を持つセキュリティ担当者の不在

導入内容

  • Falcon Goから開始し、段階的にPro版へアップグレード
  • 初期費用0円のメリットを活用した段階的導入
  • 単一エージェントによる統合管理の実現

期待される効果

  • 初期投資を抑えた段階的セキュリティ強化
  • 運用コストの削減と管理効率の向上
  • 専門知識不要での高度なセキュリティ対策の実現

参考記事

まとめ

CrowdStrike Falconは、導入初期費用が0円という大きなメリットを持ち、コストパフォーマンスが極めて良いエンドポイントセキュリティソリューションです。

価格面での特徴として、年間$59.99/デバイスからの柔軟な価格設定と、24/365の人間による監視を含む包括的なサービスが挙げられます。

複数のGUIを行き来する必要もなく、単一のGUIから操作可能な統合管理機能により、運用負荷を大幅に軽減できる点も大きな魅力です。

セキュリティ投資の判断において、初期費用の負担が大きな懸念事項となる組織にとって、CrowdStrike Falconは検討価値の高いソリューションと言えるでしょう。

導入を検討される際は、無料トライアルを活用して、自社環境での性能を実際に確認することをお勧めします。

参考文献

  1. CrowdStrike公式サイト – バンドル一覧:
    https://www.crowdstrike.com/ja-jp/free-trial-guide/bundles-and-purchasing/
     
  2. CrowdStrike Falcon Go公式ページ:
    https://www.crowdstrike.com/ja-jp/pricing/bundles/falcon-go/
     
  3. CrowdStrike Falcon Pro公式ページ:
    https://www.crowdstrike.com/ja-jp/products/bundles/falcon-pro/
     
  4. 日立ソリューションズ – CrowdStrike Falcon:
    https://www.hitachi-solutions.co.jp/crowdstrike/
     
  5. C&S Engineer Voice – CrowdStrike Falconの魅力:
    https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20241112_crowdstrikefalcon_1.html
     
  6. GSX – CrowdStrike Falcon:
    https://www.gsx.co.jp/services/incidentavoidance/crowdstrikefalcon.html
     
  7. CrowdStrike Falcon公式プラットフォーム:
    https://www.crowdstrike.jp/falcon-platform/
     
  8. CrowdStrike競合比較ページ:
    https://www.crowdstrike.com/ja-jp/compare/
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