【2025年最新】FortiGate 400F完全ガイド:中〜大規模企業のセキュリティ課題を解決する次世代ファイアウォール

目次

はじめに

記事をご覧いただき、ありがとうございます。
AIセキュリティ合同会社の越川と申します。

私は10年以上にわたり、ウェブアプリケーション開発からサーバー構築まで幅広く経験し、現在はシステムの安定稼働、データ保護、サイバー脅威対策といった分野に注力しています。そのような経験から、現代のビジネス環境におけるデータの重要性と、それを保護する必要性を日々痛感しております。

そして、このデータ保護と脅威対策を統合的に実現する上で、今や欠かせない存在となっているのが、本稿のテーマである「次世代ファイアウォール」です。

近年のサイバー攻撃は従来の境界防御モデルでは対応しきれないほど巧妙化・高度化しており、私が現場で対応した事案でも、特に中〜大規模企業では多層防御戦略の見直しが急務となっています。クラウドファースト戦略の浸透やゼロトラストアーキテクチャへの移行、さらにはハイブリッドワーク環境の定着により、従来型のファイアウォールでは限界が見えてきました

このような背景から、NGFW(次世代ファイアウォール)の導入検討が加速していますが、製品選定には性能、機能、運用性、コストといった多角的な評価が必要です。

本記事では、私の実務経験を踏まえ、FortinetのFortiGate 400F(以下FG 400F)について、セキュリティエンジニアや情報システム部門の担当者が実際の導入検討で必要となる技術的詳細と実践的なガイダンスを提供します。

用語説明
  • クラウドファースト戦略
    情報システムを構築・更新する際に、クラウドサービスの利用を最優先で検討する方針のことです。
    従来のようにオンプレミス(自社運用)を前提とするのではなく、まずクラウドで要件を満たせるかを検討し、満たせない場合にのみオンプレミスを検討するという考え方です。
  • ゼロトラストアーキテクチャ
    従来の「信頼できるネットワーク」という概念を排除し、すべてのアクセスをその都度検証・認証することで、サイバー攻撃のリスクを最小化するセキュリティ戦略です。
    ゼロトラストの原則に基づき、あらゆるアクセスを疑い、常に検証することで、内部からの不正アクセスや、データ侵害を防ぐことを目指します。

FortiGate 400Fとはなにか

製品概要と位置づけ

FG 400FはFortinet社のFortiGateシリーズにおいて、中〜大規模企業向けに設計されたハイパフォーマンスNGFWです。同シリーズ内では400番台のミドルレンジモデルに位置し、拠点統合やデータセンターゲートウェイとしての用途に最適化されています。

特筆すべきは、Fortinet独自開発のSPU(Security Processing Unit)を複数搭載している点です。これにより、CPU集約的なSSLインスペクションやIPS処理をハードウェアレベルで高速化し、スループット劣化を最小限に抑えています。

主要スペックと技術仕様

FG 400Fの技術仕様は、エンタープライズ環境の厳しい要求に応えるよう設計されています。ファイアウォールスループット80Gbpsという数値は、同価格帯の競合製品と比較して優位性があり、特にトラフィック量が多い環境では大きなアドバンテージとなります。

FortiGate 400F 主要スペック パフォーマンス ファイアウォールスループット 80 Gbps IPSスループット 11 Gbps SSL VPNユーザー数 10,000ユーザー 同時接続セッション数 5,000,000セッション インタフェース 10GE SFP+ポート 8ポート GE RJ45ポート 16ポート 管理ポート 専用管理ポート×1 拡張スロット NIMスロット×2 セキュリティ機能 • NGFW (次世代ファイアウォール) • IPS/IDS (侵入防止・検知) • アンチウイルス・アンチスパム • Webフィルタリング • DLP (データ漏洩防止) • SSL/SSH インスペクション • アプリケーション制御 • VPN (IPsec/SSL VPN) • SD-WAN機能 • サンドボックス連携 • FortiGuard脅威インテリジェンス • 高可用性 (HA/クラスタ) • ゼロタッチプロビジョニング • APIベース管理 • CASB (Cloud Access Security)

FortiOSによる統合セキュリティプラットフォーム

FG 400FはFortiOS上で動作し、単一のオペレーティングシステムで多層防御機能を提供します。これにより、個別のセキュリティアプライアンスを複数台導入する従来のアプローチと比較して、管理の複雑性とTCO(Total Cost of Ownership)を大幅に削減できます。

用語説明
  • SPU(Security Processing Unit)
    Fortinet社がFortiGateに搭載している専用のプロセッサのことです。
    これにより、ネットワークやセキュリティ処理をCPUから切り離し、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。
    SPUは、FortiGateの心臓部とも言える重要な技術です。
  • SSLインスペクション
    SSL/TLSで暗号化された通信を復号(解読)し、その内容を検査するセキュリティ機能のことです。
    これにより、暗号化された通信に隠れたマルウェアや不正なWebコンテンツを検出し、セキュリティを強化することができます。
  • FortiOS
    Fortinet社が開発した、ネットワークセキュリティアプライアンス「FortiGate」を動かすための専用のオペレーティングシステムです。
    セキュリティとネットワーク機能を統合し、一元的な管理を可能にします。

なぜFortiGate 400Fが活用されるのか

ハードウェアアーキテクチャの優位性

多くの競合製品がx86ベースの汎用アーキテクチャを採用する中、FG 400FはFortinet独自のASIC(Application Specific Integrated Circuit)を搭載しています。この専用チップにより、パケット処理をハードウェアレベルで最適化し、特にSSLインスペクション実行時のパフォーマンス劣化を最小限に抑えています。

実際の運用環境では、SSLインスペクションを有効化した際に50-70%のスループット低下が発生することが一般的ですが、FG 400Fでは10-20%程度の劣化に留まるケースが多く報告されています。

脅威インテリジェンスの統合度

FortiGuard Labsは24時間365日体制でグローバルな脅威情報を収集・分析しており、その成果がリアルタイムでFG 400Fに反映されます。この仕組みにより、新種のマルウェアやゼロデイ攻撃に対する対応速度が大幅に向上します。

SASE(Secure Access Service Edge)対応

現代の企業ITインフラは、オンプレミス、クラウド、モバイルデバイスが混在するハイブリッド環境が主流となっています。FG 400FはSD-WAN機能とセキュリティ機能を統合し、SASEアーキテクチャの構築を支援します。

用語説明
  • FortiGuard Labs
    フォーティネットの脅威インテリジェンスを提供する研究部門です。
    世界中のサイバー攻撃を監視・分析し、その情報を基に最新の脅威情報やセキュリティ対策を提供しています。
  • ゼロデイ攻撃
    ソフトウェアやシステムの脆弱性が発見された直後に、開発元がその脆弱性に対応する修正プログラム(パッチ)を公開する前に、攻撃者がその脆弱性を悪用して行うサイバー攻撃のことです。

    「ゼロデイ」とは、修正パッチが提供される前の「0日目」を意味し、攻撃者はこの隙を突いて攻撃を仕掛けます。
  • SASE(Secure Access Service Edge)
    ガートナー社が提唱した、ネットワークとセキュリティ機能をクラウド上で統合して提供する概念です。
    従来のネットワークセキュリティは、社内ネットワークとインターネットの境界にセキュリティ機器を設置する境界型セキュリティが主流でしたが、クラウドサービスの利用やリモートワークの増加に伴い、その限界が露呈しました。

    SASEは、ネットワーク機能 (SD-WANなど) とセキュリティ機能 (CASB、SWG、ZTNA、FWaaSなど) をクラウド上で統合し、場所やデバイスを問わず、統一されたセキュリティポリシーを適用できるため、柔軟で安全なアクセス環境を実現します。

FortiGate 400Fの具体的な導入ステップ

フェーズ1:要件定義と設計

導入プロジェクトの成功には、詳細な要件定義が不可欠です。
まず、現在のネットワークトラフィック量の測定を実施し、ピーク時のスループット要件を明確化します。併せて、既存のセキュリティポリシーの棚卸しを行い、新たなポリシーフレームワークの設計を進めます。

技術的な検討項目として、以下の要素を評価する必要があります。

  • 現在のトラフィック量とプロトコル分析
    将来3-5年間の成長予測を含めた容量設計を行います。特に、クラウドサービス利用拡大やIoTデバイス増加によるトラフィック増加を考慮することが重要です。
  • 既存のネットワークセグメンテーションの見直し
    マイクロセグメンテーションの導入可能性を検討します。
    これにより、ラテラルムーブメントの防止とコンプライアンス要件への対応を強化できます。
用語説明
  • ネットワークセグメンテーション
    大規模なネットワークを複数の小さなネットワーク(セグメントまたはサブネット)に分割し、それぞれに異なるセキュリティポリシーを適用するネットワークセキュリティ手法です。
    これにより、不正アクセスやマルウェアの拡散を制限し、ネットワーク全体のセキュリティを向上させることができます。
  • マイクロセグメンテーション
    ネットワークをより細かく分割し、各セグメントに異なるセキュリティポリシーを適用することで、セキュリティを強化する手法です。
    これにより、マルウェアの拡散や不正アクセスなどのリスクを低減し、ゼロトラストセキュリティを実現できます。
  • ラテラルムーブメント
    サイバー攻撃において、攻撃者がネットワークに侵入した後、水平方向に移動しながら、侵害範囲を拡大していく攻撃手法のことです。
    攻撃者は、最初に侵入したシステムから、他のサーバーや端末、アプリケーションなどにアクセスし、より重要なシステムや機密データに近づこうとします。
    この攻撃手法は、ネットワークの脆弱性を利用したり、盗まれた認証情報を悪用したりして、気づかれにくいように進行することが特徴です。

フェーズ2:パイロット導入と検証

本格導入前に、限定的な環境でのパイロット導入を実施します。
この段階では、パフォーマンステストとセキュリティ機能の有効性検証を並行して進めます。

具体的な検証項目には、実際のトラフィックパターンでのスループット測定、SSL インスペクション有効時のレスポンス時間測定、各種セキュリティ機能の誤検知率確認などが含まれます。また、管理インタフェースの使いやすさやログ出力形式の確認も重要な評価要素となります。

フェーズ3:段階的本格展開

パイロット検証で得られた知見を基に、段階的な本格展開を実施します。
まず、クリティカルではない拠点やネットワークセグメントから開始し、徐々に対象範囲を拡大していきます。

各段階でパフォーマンス監視とセキュリティログの分析を継続し、必要に応じてポリシーの調整を行います。特に、アプリケーション制御ポリシーは業務への影響を慎重に評価しながら段階的に厳格化していくことが推奨されます。

フェーズ4:運用最適化

全展開完了後は、継続的な運用最適化フェーズに移行します。
FortiAnalyzerとの連携により、セキュリティインシデントのトレンド分析や誤検知パターンの特定を行い、ポリシーの継続的改善を実施します。

用語説明
  • FortiAnalyzer
    Fortinet社のセキュリティ製品群であるFortiGateなどのログを一元的に収集・分析し、ネットワークの脅威やセキュリティ状況を可視化するアプライアンス製品です。

FortiGate 400Fのメリット

高パフォーマンスによるユーザー体験向上

従来のファイアウォールでは、高度なセキュリティ機能を有効化するとネットワークパフォーマンスが大幅に低下し、エンドユーザーの生産性に悪影響を与えることが課題でした。

FG 400Fでは、専用ASICによるハードウェア処理により、セキュリティ機能とパフォーマンスの両立を実現しています。

具体的には、SSL インスペクション有効時でも80%以上のスループットを維持し、レスポンス時間の増加を10ms以下に抑制できるケースが多く報告されています。

これにより、厳格なセキュリティポリシーを適用しながらも、ユーザー体験の劣化を最小限に抑えることが可能です。

統合管理による運用効率化

複数のセキュリティ機能を単一プラットフォームで提供することにより、管理工数の大幅な削減を実現します。従来、個別に管理していたファイアウォール、IPS、アンチウイルス、Webフィルタリングなどの機能を統一されたインタフェースで管理できるため、運用担当者の学習コストと日常的な管理負荷を軽減できます。

競合製品との比較

FortiGate 400F vs 競合製品 詳細比較

中〜大規模企業向けNGFW主要製品の機能・性能比較

比較項目 FortiGate 400F Palo Alto PA-3250 Cisco ASA 5585-X Check Point 15600
ファイアウォール
スループット
80 Gbps
SPUによるハードウェア処理
60 Gbps
ソフトウェア処理中心
20 Gbps
レガシーアーキテクチャ
75 Gbps
専用チップ採用
SSL インスペクション
スループット
8 Gbps
ハードウェアオフロード対応
5 Gbps
CPU集約的処理
2 Gbps
性能制限あり
6 Gbps
専用エンジン搭載
同時セッション数 5,000,000
エンタープライズ対応
2,000,000
標準的な容量
1,000,000
容量制限あり
3,000,000
中規模企業向け
脅威インテリジェンス
更新頻度
リアルタイム
FortiGuard Labs連携
4回/日
WildFire連携
1回/日
Talos連携
6回/日
ThreatCloud連携
SD-WAN機能 標準搭載
追加ライセンス不要
オプション
Prisma SD-WAN連携
非対応
別製品が必要
限定対応
基本機能のみ
初期導入コスト
(概算)
$15,000-20,000
ライセンス込み
$25,000-30,000
高機能だが高価格
$20,000-25,000
保守コスト高
$22,000-28,000
ライセンス体系複雑
管理インタフェース FortiManager
統合管理プラットフォーム
Panorama
高機能だが複雑
ASDM
レガシーUI
SmartConsole
直感的なUI
クラウド連携 FortiCloud
マルチクラウド対応
Prisma Cloud
包括的クラウドセキュリティ
限定対応
AWS/Azure一部機能
CloudGuard
主要クラウド対応
サポート体制 24/7グローバル
多言語対応
24/7 Premium
高品質サポート
平日サポート
地域限定
24/7対応
標準サポート

この比較表から明らかなように、FG 400Fは特にスループット性能、コストパフォーマンス、管理効率性の各面で競合製品と比較して優位性を持っていることが分かります。

特に、SSL インスペクション性能とSD-WAN機能の標準搭載は、現代のセキュリティ要件を考慮すると大きなメリットとなります。

TCO(総所有コスト)の削減効果

従来の多層防御アーキテクチャでは、ファイアウォール、IPS、アンチウイルス、Webフィルタリング、VPN ゲートウェイを個別に調達・運用する必要がありました。FG 400Fでは、これらの機能を統合プラットフォームで提供するため、ハードウェア購入費用、ライセンス費用、保守費用、運用人件費の全てにおいて大幅なコスト削減が可能です。

具体的な削減効果として、5年間のTCOで30-40%のコスト削減を実現した事例が多数報告されています。また、単一ベンダーとの契約により、調達プロセスの簡素化と交渉力の強化も期待できます。

活用方法

シナリオ1.製造業での活用

FortiGateは、製造業でも多く活用されています。
サイバー攻撃は、「脆弱性(セキュリティ的に弱い部分)」や「サーバーがダウンすると困る部分」が標的とされることが多いです。そして、工場の生産データやラインを動かすシステムは格好のターゲットとされています。

導入前の課題
ある大手自動車部品製造企業では、工場ネットワークとオフィスネットワークの境界が曖昧で、OT(Operational Technology)環境へのサイバー攻撃リスクが懸念されていました。

特に、生産ライン制御システム(SCADA)への不正アクセスや、設計図面などの知的財産の情報漏洩リスクが深刻な問題となっていました。

導入内容
FG 400Fを工場ネットワークのゲートウェイに配置し、以下の対策を実装しました。

マイクロセグメンテーション機能により、生産ライン別にネットワークを分離し、ラテラルムーブメントを防止。各セグメント間の通信は、業務上必要最小限のプロトコル・ポートのみに制限しました。

IPS機能により、SCADA システム特有の産業用プロトコル(Modbus、DNP3等)に対する攻撃を検知・遮断。FortiGuard のIOTとOT専用の脅威インテリジェンスを活用し、製造業特有の攻撃パターンに対応しました。

導入後の効果
導入後6ヶ月で、月間平均50件のセキュリティインシデントを検知・遮断し、特に外部からの産業制御システムへの不正アクセス試行を100%阻止しました。

また、ネットワーク可視化により、これまで把握できていなかった不要な機器間通信を特定し、セキュリティポリシーの最適化を実現しました。

シナリオ2.教育機関での活用

FortiGateは、侵入防止、ウイルス対策、およびWebフィルタリング機能を提供し、教育機関のネットワークをサイバー脅威から守ります。また、不適切なコンテンツへのアクセスを制限し、学生のインターネット利用環境を安全に保ちます。

導入前の課題
中規模私立大学では、学生用WiFiネットワークから不正なファイル共有やマルウェア感染が頻発し、学内ネットワーク全体のセキュリティリスクが高まっていました。また、学生による業務システムへの不正アクセス試行や、P2Pファイル共有による帯域圧迫も深刻な問題となっていました。

導入内容
キャンパス全体にFG 400Fを複数台配置し、階層化されたセキュリティアーキテクチャを構築しました。
学生用ネットワークと教職員用ネットワークを完全分離し、それぞれに適した セキュリティポリシーを適用。学生ネットワークでは厳格なWebフィルタリングとアプリケーション制御を実装しました。

アプリケーション制御機能により、P2Pファイル共有、オンラインゲーム、動画ストリーミングなどの帯域消費アプリケーションを制限し、学習に必要なアプリケーションを優先的に処理するQoS制御を実装しました。

導入後の効果
マルウェア感染事件が前年比90%削減され、P2Pトラフィックによる帯域圧迫も解消されました。また、学生による業務システムへの不正アクセス試行を全て検知・遮断し、情報漏洩インシデントを完全に防止しました。教育環境の安全性が大幅に向上し、学生・教職員双方の満足度が向上しました。

参考文献:

用語説明
  • OT(Operational Technology)
    工場やプラント、社会インフラなどの物理的なシステムや設備を制御・運用するための技術の総称です。
    IT (Information Technology) が情報処理を扱うのに対し、OTは物理的な機器やプロセスの制御を扱う点が異なります。
  • SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)
    大規模な施設やインフラ設備を監視・制御するためのシステムです。
    日本語では「監視制御システム」や「データ収集システム」とも呼ばれます。
    ネットワークを介して、分散した機器や設備のデータを一元的に収集・管理し、中央制御室から監視・制御を行うことができます。
  • QoS(Quality of Service)
    ネットワーク上で特定の通信を優先的に扱ったり、帯域幅を確保したりすることで、通信品質を保証する技術のことです。
    特に、音声や動画などリアルタイム性の高い通信において、遅延やパケットロスを抑制し、安定したサービス提供を可能にします。

まとめ

FortiGate 400Fは、現代の複雑化・巧妙化するサイバー脅威に対応するため、ハードウェアレベルでの高性能化とソフトウェアレベルでの統合機能を両立した次世代ファイアウォールです。特に中〜大規模企業においては、その高いスループット性能、豊富なセキュリティ機能、優れた管理効率性により、セキュリティ投資に対する明確なROI(投資対効果)を提供します。

導入検討の際は、単純な機能比較だけでなく、自社のネットワーク環境、セキュリティ要件、運用体制、将来の拡張計画を総合的に評価することが重要です。また、導入後の継続的な運用最適化とポリシー調整により、FG 400Fの持つ潜在能力を最大限に活用することができます。

クラウドファースト戦略やゼロトラストアーキテクチャへの移行、ハイブリッドワーク環境の定着など、企業ITインフラの変革期において、FG 400Fは信頼性の高いセキュリティ基盤として、ビジネスの継続性と成長性を支える重要な役割を果たします。

セキュリティエンジニアや情報システム部門の担当者の皆様には、本記事で紹介した技術的詳細と実践的なガイダンスを参考に、自社に最適なセキュリティソリューションの選定を進めていただければと思います。

参考文献

  1. Fortinet公式サイト – FortiGate製品情報:
    https://www.fortinet.com/jp/products/next-generation-firewall
     
  2. Fortinet データシート – FortiGate 400Fシリーズ:
    https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/data-sheets/ja_jp/fortigate-400f-series.pdf
     
  3. FortiGuard Labs 脅威レポート:
    https://www.fortinet.com/jp/blog/threat-research
     
  4. NIST Cybersecurity Framework:
    https://www.nist.gov/cyberframework
     
  5. クラウドセキュリティチャネル – FortiGate解説記事:
    https://www.cloud-security.jp/blog/what-is-fortigate
     
  6. Fortinet 導入事例:
    https://www.fortinet.com/jp/customers
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