【2025年版】Netskopeとは?クラウドセキュリティ専門家が解説する導入メリットと評価ポイント

目次

はじめに

この記事の目的

クラウドサービスの普及とテレワークの拡大に伴い、従来のファイアウォールやVPNだけでは対処しきれないセキュリティ課題が増加しています。

こうした状況下で、クラウドネイティブかつ詳細な可視化・制御を実現するソリューションとして注目されているのが「Netskope(ネットスコープ)」です。

本記事では「Netskope とは」というキーワードで検索するセキュリティエンジニアや情報システム部門の担当者の方々に向けて、製品導入を検討する際に押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

記事構成について

具体的には、製品の概要、アーキテクチャ、導入メリット、評価ポイント、導入事例、そしてまとめの全6セクションで構成しています。

Netskopeとは

クラウド時代の新たなセキュリティニーズ

Netskopeは、SaaSやIaaS、パブリッククラウドに対する可視化と制御を実現するクラウドセキュリティプラットフォームです。

従来のネットワーク境界型セキュリティでは、ユーザーがどのクラウドサービスを利用しているか、どのようなデータがアップロード/ダウンロードされているかを把握することが困難でした。

Netskopeが解決する課題

NetskopeはインラインプロキシやAPI連携を通じて、こうした可視化のギャップを埋め、ユーザーの利用状況やデータの動きをリアルタイムで把握できる点が大きな特徴です。

多機能プラットフォームとしての強み

特にデータ損失防止(DLP)、マルウェア防御、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)といった機能を統合的に提供し、企業が抱える複数のセキュリティ課題を一つのプラットフォーム上で解決します。

Netskopeのアーキテクチャと主要機能

クラウドネイティブプロキシによる柔軟なトラフィック制御

Netskopeはグローバルに分散されたクラウドプロキシを基盤とし、トラフィックはインラインまたはリダイレクト方式でプロキシサーバーを通過します。

SSL/TLSトラフィックの復号・再暗号化機能も標準で備えており、暗号化通信の中身まで検査可能です。

API連携でSaaSの詳細を把握

一部のSaaSアプリケーションでは、API連携によりエージェントレスで可視化できます。

たとえば、Office 365やGoogle Workspaceなどの主要クラウドサービスとの統合により、ユーザー行動やファイル操作が詳細に把握できます。

高精度なDLPとリアルタイム脅威対策

NetskopeのDLP機能は、機械学習エンジンと連携し、高精度なパターン識別が可能です。加えて、クラウドマルウェア防御機能により、未知の脅威も検出・遮断します。

セキュリティエンジニア視点での導入メリット

クラウドトラフィックの可視化強化

従来のセキュリティ製品では把握できなかった暗号化されたクラウド通信の中身を、Netskopeを活用することで詳細に解析できます。

これにより、シャドーITの利用状況も明らかになります。

運用の統合と効率化

Netskopeは複数のセキュリティ製品を一元的に管理できるため、ポリシーの統合やログの集約、アラートの統一管理が可能になります。

結果として、運用負荷の軽減につながります。

ゼロトラストアーキテクチャへの対応

Netskopeはユーザーやデバイスに基づくきめ細かいアクセス制御を実現するため、ゼロトラストモデルの実現に大きく貢献します。

動的なリスク評価に基づいたポリシー適用が可能です。

SASE/SSE製品 比較表

Netskopeが分類されるSASE(Secure Access Service Edge)やSSE(Security Service Edge)の領域には、複数の有力な競合製品が存在します。

ここでは、代表的なソリューションをピックアップし、セキュリティエンジニアの視点からその特徴を比較します。

製品名 概要 主要コンポーネント アーキテクチャの特徴 強み・特徴 製品紹介URL
Netskope データ保護に強みを持つ、クラウドネイティブなSSE/SASEプラットフォーム。 CASB, SWG, ZTNA, FWaaS, DLP NewEdgeと呼ばれる世界最大級のプライベートクラウドネットワーク。PoP間の高速通信を実現。 CASB(Cloud Access Security Broker) から発展。SaaSアプリの利用状況の深い可視化と、データ漏洩防止(DLP)に定評あり。 https://www.netskope.com/jp/
Zscaler ゼロトラストを核とした世界最大のインラインセキュリティクラウド。SSEのパイオニア。 SWG (ZIA), ZTNA (ZPA), CASB, FWaaS 150以上のデータセンターを持つグローバルなプロキシアーキテクチャ。 SWG (Secure Web Gateway)ZTNA (Zero Trust Network Access) が非常に強力。長年の実績と高い市場シェアを誇る。 https://www.zscaler.jp/
Palo Alto Networks Prisma Access 次世代ファイアウォール(NGFW) の技術をクラウドで提供するSASEソリューション。 SWG, ZTNA, CASB, FWaaS (NGFW) 大手パブリッククラウド(GCP/AWS)をバックボーンとして活用。 オンプレミスのPalo Alto製ファイアウォールとの親和性が高く、一貫したポリシー管理が可能。脅威防御技術に強み。 https://www.paloaltonetworks.jp/sase/access
Cato Networks ネットワークとセキュリティを統合した、世界初のSASEプラットフォーム SWG, ZTNA, CASB, FWaaS, SD-WAN 全世界のPoP(Point of Presence)を接続する独自のプライベートバックボーン。 SD-WANとセキュリティ機能を単一のクラウドサービスとして提供。ネットワークパフォーマンスとセキュリティの両立を重視。 https://www.catonetworks.com/jp/
Cloudflare One CDNで培った巨大なグローバルネットワークを基盤とする統合SASEプラットフォーム。 SWG, ZTNA, CASB, FWaaS, DDoS対策 エニーキャストで構成された、世界で最も広範なネットワークの一つ。 DDoS対策やWebパフォーマンス向上といった、従来のCloudflareの強みを活かしたセキュリティ機能。ZTNA機能も強化。 https://www.cloudflare.com/ja-jp/one/

導入検討時の評価ポイント

費用対効果のシミュレーション

Netskopeはクラウドベースの課金モデルを採用しており、導入コストを柔軟に調整できます。ただし、機能の選択によって料金が大きく変動するため、必要な要件を明確にして見積もりを取ることが重要です。

システム連携性と拡張性の確認

他のセキュリティツールとの連携性を確認することは、導入の成否を大きく左右します。

たとえば、SIEMとの連携、IDaaSとの連携、EDRとの連携など、既存システムとの親和性を検証する必要があります。

ユーザー体感とパフォーマンス

クラウドプロキシ型の構成によってネットワーク遅延が発生することがあります。

事前にPoCを実施し、業務に支障が出ないことを検証することが求められます。

実際のユースケースと導入事例

金融業界における情報漏えい対策

ある大手金融企業では、Netskopeを導入することで機密データのクラウドアップロードをリアルタイムで検知し、誤送信を未然に防止する体制を構築しました。

これにより、厳格なガバナンス要求に対応しています。

グローバル企業での統合セキュリティ

多拠点で異なるクラウドアプリを利用していた製造業では、Netskopeによって全拠点で統一されたセキュリティポリシーを運用できるようになりました。

セキュリティの平準化が進み、リスクが大幅に軽減しました。

教育機関のアクセス制御

大学では、教職員と学生のクラウド利用を明確に区別し、特定サービスへのアクセスを制御することで、安全かつ柔軟な学習環境を提供できています。

個人アカウントと組織アカウントの切り分けも効果的です。

まとめと今後の展望

Netskopeの重要性の再確認

Netskopeは、クラウド時代に最適化されたセキュリティプラットフォームとして、可視化、制御、DLP、脅威対策といった機能を一体化して提供します。

従来の境界型セキュリティからの脱却に役立ちます。

導入成功の鍵

導入を成功させるためには、PoCによる事前評価、既存システムとの統合計画、関係部門との連携が欠かせません。

また、費用対効果を具体的にシミュレーションすることが長期的なROI向上につながります。

今後の進化と期待

今後もゼロトラストやAIベースの検知ロジック、さらなるクラウド対応の拡充が見込まれるNetskopeは、企業のセキュリティ戦略において中心的な役割を果たすでしょう。

これからのセキュリティ対策を検討する上で、導入の選択肢として強く推奨される製品であると言えます。

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